更新日:2020/06/17 投稿日:2020/06/06
糖尿病かどうかを調べる検査
糖尿病は初期段階では自覚症状が現れにくいものの、放っておくとさまざまな合併症を併発する病気です。合併症を防ぐには早期発見・早期治療することが何よりも大切。 では、実際に糖尿病かどうか調べるにはどのような検査が行われているのか詳しく見てみましょう。
目次
検査の種類とその内容
糖尿病かどうか調べるには次のような検査が必要になります。
検査 | 検査概要 | 検査結果がでるおよその時間 |
---|---|---|
血糖値 | 血液検査でそのときのブドウ糖の量を検査する。 | 20~30分 |
HbA1c | ヘモグロビンについているブドウ糖量を計る検査。 | 20~30分 |
75g経口ブドウ糖負荷試験 | 飲食後の血糖値変化を調べる検査。 | 2時間以上 |
インスリン、Cペプチド | インスリン分泌や働きの状態を調べる検査。 | 数日かかる場合あり |
1 血糖値の検査
糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気です。そのため、糖尿病かどうか調べるには、まず血糖値の状態をチェックする必要があります。
そもそも血糖値とは、血液中に溶けているブドウ糖の量のこと。単純な血液検査をすれば、20~30分ほどで調べることができます。また、指先などに針を刺して少量の血液を採取し、特殊な機器を用いてその血液から迅速に血糖値を測る方法もあります。数秒で血糖値を測定することができますが、誤差もありますので糖尿病かどうか評価するときには、通常の血液検査で行うのが一般的です。
なお、血糖値は食事の影響によって変動しやすいため、血糖値を調べるために血液検査を行うときは、朝ご飯を食べない状態の空腹時に測定するよう推奨されています。食後に検査を受けても正確な結果は出ませんので注意しましょう。
2 HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の検査
HBA1cとは、赤血球に存在するヘモグロビンと呼ばれるたんぱく質の何%にブドウ糖がくっ付いているか表した値のことです。ヘモグロビンは通常、酸素と結合して体中に酸素を運搬する働きがあります。しかし、一部はブドウ糖と結合した状態となり、血糖値が高くなるほどブドウ糖と結合するヘモグロビンの割合は高くなります。そのため、HbA1c値は血糖値の状態を表す指標となるのです。さらに、HbA1cはある一点の血糖値のみを反映するのではなく、検査をした日からさかのぼって1~2か月間の平均的な血糖値の状態を反映します。
HbA1cは通常の血液検査で調べることができ、一般的には血糖値と同時に調べられ、20~30分ほどで結果が分かります。
3 75g経口ブドウ糖負荷試験
飲食後にどのような血糖値の変化が生じるのかを調べるための検査です。75gのブドウ糖が含まれた検査用飲料を飲み、30分、1時間、2時間後に血糖値を調べて推移を評価します。
通常であれば、ブドウ糖を摂取した後は血糖値が上昇するものの、2時間後にはインスリンと呼ばれるホルモンの働きによって血糖値は元の状態に戻ります。ですが、糖尿病を発症していると2時間後の血糖値も高いままとなるのが特徴です。
血糖値を調べるたびに何度も採血をしなければならないなど、身体への負担は大きいですし、検査には時間もかかりますが、糖尿病かどうかを調べるために必要な検査となります。
4 インスリン、Cペプチドの検査
糖尿病はインスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンの働きが悪化したりすることによって引き起こされる病気です。そのため、糖尿病かどうかを判断するために、血液中に含まれるインスリン濃度、インスリンが分泌される際に共に産生されるCペプチドの量などを調べてインスリン分泌や働きの状態を調べることがあります。
インスリンやCペプチドも血液検査で調べることができます。一方で、インスリンやCペプチド値の測定は比較的特殊な検査でもあるため、医療機関によっては結果が出るまでに数日を要するケースもあります。
糖尿病と診断される基準とは
では、上でご紹介したような検査を行った結果、どのような基準で糖尿病かどうかを判断することができるのでしょうか?日本糖尿病学会による「糖尿病治療ガイドライン」に沿って詳しい診断基準を見てみましょう。
検査毎の基準を紹介
糖尿病かどうか調べる検査の結果、次のような基準を満たせば「糖尿病型」と判定されます。
1 血糖値:早朝空腹時血糖値126㎎/dL以上、または随時血糖値200mg/dL以上
なお、「早朝空腹時血糖値」とは上でも述べたように食事の影響を受けにくい朝一番に調べる血糖値のこと。一方、「随時血糖値」とは時間帯や食事の内容などにとらわれずに自由に調べる血糖値のことを指します。
2 HbA1c:6.5%以上
HbA1c値が6.5%以上になると、糖尿病の可能性が高くなります。HbA1c値は検査直前の食事の影響を受けず、さらに長期的な血糖値の状態を反映する数値であるため、近年新しく糖尿病の診断基準の指標として用いられるようになりました。
3 75g経口ブドウ糖負荷試験:2時間値200㎎以上
75gのブドウ糖を摂取して2時間が経過しても血糖値が高い状態が続く場合は、糖尿病型とされます。この検査では血糖値の推移をみることでインスリンの働きの程度を評価することも可能です。
検査の結果、血糖値とHbA1c値がともに糖尿病型である場合、または血糖値や75gブドウ糖経口負荷試験が糖尿病型でなおかつ糖尿病の特徴的な症状がある場合は糖尿病と診断されます。一方、血糖値やHbA1c値のみが糖尿病型である場合は、食事の影響などの可能性もあるため日を改めて検査を行い、血糖値やその他の検査が糖尿病型である場合にはじめて糖尿病と診断されます。
こんなところで発覚!
糖尿病かどうかを調べるには上でご紹介した検査を行う必要があります。ですが、糖尿病は血液検査だけでなく、思わぬ症状によって発見されることがあります。
代表的なきっかけとしては、「視野のぼやけ」や「視力低下」など目に関する症状が挙げられます。糖尿病はさまざまな合併症を引き起こしますが、とくに視力を司る網膜にダメージを与える「網膜症」の発生頻度は高め…。目の異常を感じて病院を受診し、初めて糖尿病が疑われることも少なくないのです。
また、同じ血液検査でも糖尿病検査目的ではなく健康診断などたまたま受けた検査で糖尿病が発見されることもあります。
糖尿病の“疑い”がある場合はどうすればいいの?
糖尿病の発症には遺伝が大きく関与していることが知られていますが、肥満・喫煙習慣・ストレスなど好ましくない日常生活上の習慣が引き金となっているケースも多々あります。糖尿病は40歳頃から徐々に発症者が増え始め、年齢を重ねるごとに発症率は上昇。糖尿病の発症リスクとなる要因に当てはまるものがある方は、定期的に専門クリニックで糖尿病検査を受けるようにしましょう。また、万が一健康診断などで行った血液検査で、血糖値が高いことが指摘されたら放っておくのは絶対にNG。早めに専門クリニックで精密検査や治療を受けることが大切です。
まとめ
糖尿病は早期発見・早期治療が何よりも大切な病気の一つです。糖尿病かどうか調べるには今回ご紹介する検査が必要となります。糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。
できるだけ早い段階で発見するためにも、発症しやすいリスクがある方は定期的に専門クリニックで検査を受けるようにしましょう。

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