更新日:2020/07/10 投稿日:2020/06/13
どんな薬があるの?
食生活や運動習慣の見直しを行っても、血糖値が高い状態が続くときは薬の力を借りて血糖コントロールをしていくことが必要です。適切な薬物療法を続ければ、糖尿病による合併症を併発する可能性を大幅に下げることができます。
では、糖尿病の薬物療法ではどのような薬が使われているのか詳しく見てみましょう。
目次
薬の効果別紹介
糖尿病の薬物療法で使用される薬は大きく分けて、「飲み薬(血糖降下薬)」と「自己注射」があります。それぞれの特徴は次の通りです。
糖尿病の飲み薬
糖尿病は、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌量が少なくなったり、作用が低下したりすることが原因で引き起こされる病気です。インスリンが正常に機能しなくなることで、血糖値が下がらない状態が続きます。
適正な血糖値をキープするには、「インスリンの分泌量をアップさせること」・「インスリンの効きをよくすること」・「糖分の排出を促すこと」が必要です。そのため、糖尿病の薬物療法では、これらの作用を持つ飲み薬が使用されているのです。
現在、薬物療法で用いられている薬には3つのタイプがあります。
1 インスリンの分泌量をアップさせる薬
スルホニル尿素薬・即効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)・DPP-4薬・GLP-1受容体阻害薬はインスリンの分泌を促す働きがあります。
いずれも膵臓を刺激したり、インスリンの分泌を促す別のホルモンの分解を抑制したりすることによってインスリンの分泌量をアップさせます。
2 インスリンの効きを良くする薬
ビグアナイド薬・チアゾリジン薬はインスリンの効きを良くすることで血糖値を下げるタイプの薬です。
いずれもインスリンに対して身体が反応しやすいようにすることで血糖値を下げる働きを発揮します。
3 糖分の排出を促す薬
α-グルコシダーゼ阻害薬・SGLT2阻害薬は糖分の吸収や排泄にアプローチして血糖値を下げるタイプの薬です。
小腸での糖分の吸収を抑えたり、腎臓に働きかけて尿中に糖分が多く排泄されたりするような働きがあります。
また、これら3つにタイプの飲み薬は単独で使用される場合もありますが、2種類以上の薬を組み合わせて使用することも少なくありません。特に良く摂り入れられる組み合わせのものは、それらが一つの錠剤に詰まった「配合剤も販売されています。
糖尿病の注射
薬物療法を行っても血糖値のコントロールが難しい場合は、注射によって不足したインスリンを補う治療が行われます。注射といっても、病院へ行く必要はなく細い針をお腹などの柔らかい組織に自分で刺して薬を注入する「自己注射」による治療です。
自己注射による治療を導入する基準は医療機関によっても異なりますが、2種類以上の飲み薬を使用しても、HbA1値が8%を越えた状態が続くときに実施の検討をするのが一般的です。
また、使用するインスリンも、即効性が高いタイプや長時間作用が続くタイプなどさまざまなものがあります。血糖値が上がりやすいタイミングや時間帯は人によって異なりますので、それぞれの血糖値の状態などを参考にしてどのようなタイプのものを使用すればよいか決定されます。
副作用に注意!
糖尿病の薬物療法で使用する飲み薬やインスリン自己注射は血糖値を下げて、糖尿病によるさまざまな合併症を予防する効果があります。しかしながら、誤った飲み方をしたり、身体のコンディションが悪かったりすると思わぬ副作用を引き起こすことも…。場合によっては一気に血糖値が下がりすぎて意識を失ってしまうことも考えられます。
糖尿病の薬物療法を開始したら、まずは使用する薬にどのような副作用があるのかしっかり把握しましょう。また、不規則な食生活や運動習慣を続けていると、薬を使用するタイミングがバラバラになり、十分な効果が得られないだけでなく、副作用も起こりやすくなります。
薬物療法を始めると、薬で血糖値を強制的に下げているのだから食事や運動に注意しなくて良い…と思い込み、食事療法や運動療法を止めてしまう方も少なくないのが現状です。しかし、薬の効果を高め、副作用を防ぐには生活習慣にも十分に注意するようにしましょう。
効果別副作用を紹介
では、糖尿病の薬にはそれぞれどのような副作用があるのか詳しく見てみましょう。
1 インスリンの分泌量をアップさせる薬
このタイプの薬は低血糖を引き起こすことがあります。というのも、効果が強すぎてインスリンの分泌量が増えすぎることがあるからです。また、十分な食事を摂っていないときや激しい運動の前後に使用すると低血糖を引き起こしやすくなるので注意しましょう。
2 インスリンの効きをよくする薬
このタイプの薬も低血糖を引き起こすことはありますが、他のタイプの薬に比べると発生頻度は低いとされています。そのため、比較的安全に使用できると考えられていますが、むくみ、肝障害、胃腸障害などの副作用が現れることがあります。
3 糖分の排出を促す薬
このタイプの薬は、インスリンの働きに関係しないため、低血糖が生じる危険は非常に少ないとされています。しかし、SGLT2阻害薬は腎臓に働きかける薬であるため副作用として尿路感染症を引き起こすことがあり、α-グルコシダーゼ阻害薬は小腸に働きかけることでお腹の張りを引き起こすことが知られています。
4 インスリンの自己注射
インスリンを直接体内に補うため、糖尿病の薬物療法の中では最も低血糖が起こりやすいのが特徴です。食事や水分摂取量の減少、体調不良など些細な変化があると低血糖がおこりやすくなりますので、徹底した血糖値の管理が必要となります。
まとめ
糖尿病の合併症を予防するためにも、食事療法や運動療法のみでは十分に血糖値が下がらないときは薬物療法が導入されます。現在では、それぞれ働きが異なる7つのタイプの飲み薬と不足したインスリンを補う注射が使用されています。
これらの薬は副作用が現れやすいもの。ご自身の服用している薬にはどのような副作用があるのかしっかり把握し、気になる症状がある方は早めに病院に相談するようにしましょう。

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